フロン
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 海拓舎
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: 単行本
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なぜ夫婦の結婚生活が破綻するか、の原因を戦後の生活スタイルの変化に求め、それを解決する方法として「父親のリストラ」を提案する内容。
父親にとって家庭はお客さんとして安らぐ場であっても、女性にとっては子育ての職場である、という指摘あたりはおもしろいし、夫の収入に依存する関係からは脱出するべき、というのもなんとなく解る気がする。
ただし、これからは個人主義の時代だから、目的によってつきあう相手を変えていけばいい、というのは一つの理想だけど、実際はそうもいかないし、結局そこまで人間は個人主義では生きられないんじゃないかと思う。
無理して相手の悪いところを受け入れる必要はないけれど、広く浅いつきあいができないタイプの人にはそういう生きかたは難しいのではないか。
それと子供の視点というのが全然ないのもちょっと気になる。世間体やしきたりがどうこうじゃなく、両親が離婚するというのは子供にとって悲しいことだと思うんだよね。
結局この本の最大の問題は、あとがきで自分の理論を実践して、離婚してしまった岡田氏自身があんまり幸福そうに見えないことなんだよな。ハウツー本として致命的な気が……。