物語消滅論

物語消費論の続きと現在。


物語が新たなイデオロギーになっているという大塚の論は納得出来るし、現実にそういう面があるのは否定しない。
ただ日本の立ち位置やふるまいについて、「キャラを立てる」ためにしている、という批判は、国際的な日本の立場や、憲法の問題を考えてもちょっと浅薄すぎるのではないか。インテリの理屈と言われてもしょうがない気がする。

それと、物語の大切さについて語るのは良いけど、それを文学の立場から発信していく、というのはどうも話が小さくなっているように思えてならない。いくら文学ががんばってもコップのなかの嵐でしかないのではないか。それより文学とラノベ、それとその社会的影響について大塚はどう捉えているのか。果たしてエンターテイメントの作者も、社会的責任を考えて作品を書かねばならないのか?あとネットをやらないでネットを語るのもどうかと思った。


それはそうと角川Oneテーマ21新書はカバーにいろいろ中身のことが書いてあるのな。商売商売。