出版評論 創刊準備号

出版評論 創刊準備号 特集「ブックオフ」は安いだけなのか?
対談 唐沢俊一大内明日香「古書と新刊の話」
http://ameblo.jp/best-seller2001/


同人誌。唐沢俊一対談が読みどころ。
ブックオフを高く評価している筆者と、ベテランの古書マニアとの対談ということでかなり面白く読める。「アカデミックな匂いは防腐剤」とか、「興味のない人に読ませることを考える」とか唐沢俊一らしい本作りの秘訣がさりげなく書かれているところもポイント。

ただ「アニメ美少女萌え」とか行ってるんじゃなくて、なぜ日本にオタク文化が定着したかを語ることができたのは、昔は僕と岡田斗司夫しかいてかった。コミュニケーション能力を持つオタク、ようするに、一般人との通訳ですよ。なぜアニメが好きか、メカが好きかってことを、噛み砕いて離す。客観的な視点を持つのは、ライターの基本ですよね。
(略)
いまの若いライターっていうのは、好きなものを仲間に向けて発信して満足しているわけ。もっと一般に向けて話なさいっていうと、すごく心外そうな顔して、「分かってくれる人だけが読んでくれればいいんです」って。
─それはすでにコミュニケーションではないですね。

これはライター論だけど、岡田・唐沢コンビのオタク認識と、いまのオタク問題がなんとなく説明出来ているような気がする。