女だけが楽しむ「ポルノ」の秘密

女だけが楽しむ「ポルノ」の秘密 (進化論の現在)

女だけが楽しむ「ポルノ」の秘密 (進化論の現在)

やおいスラッシュ小説)について。

思わせぶりなタイトルがついているものの、ほとんどは真面目な生物学の本。訳者の竹内久美子には納得だが、結果的にいかに竹内氏が一般向けにかみ砕いて面白く書いてるかを再確認させられることに。

男/女の組み合わせだと、性的な緊張感(あるいは少なくとも性的な関係になるかもしれないという互いの認識)が始めからあり、それが動機を濁らせ、その緊張がなかった場合にも同じように友情が強いままかどうかの確証がない。だが、スラッシュ小説の主人公たちは、ロマンティックな恋愛やセックスが始まるずっと前から熱い友情の中で手を取り合っているのである。
(略)
スラッシュ小説の主人公たちが直面する障壁は深刻で避けられないものである。だがそれでも、力を合わせて二人はそれらを乗り越えていく。そんなわけで、スラッシュ小説のハッピーエンドは非常に信憑性が高い。これほどまでに強い愛ならば永遠に続くのももっともだと考えられるのである。

というのが結論。
より純粋な愛、というところがミソなのかもしれない。